マシニングセンタ(MC)は、工作物の付け替えなしで多様な加工を行えるNC工作機械で、金属部品の加工をはじめ、ものづくりの現場で広く活用されています。
NC工作機械(数値制御工作機械)とは、数値データに基づいて加工速度や位置を正確に調整できる機械です。駆動機構を利用して、刃物の交換や被加工物の位置、速度を自動的に制御し、精密な加工を実現します。

MCには自動工具交換装置(ATC)が搭載されており、フライス削り、中ぐり、穴あけ、ねじ立てなど、異なる種類の加工を1台でスムーズにこなします。このため、コンピュータ数値制御(CNC)とCADプログラムを連携させ、設計から製造までの工程を高度に自動化できます。
高精度な加工と安定した品質の維持に加え、製造コストの削減にも貢献しており、多くの製造現場で採用されています。

マシニングセンタは、立形、横形、門形の3種類に分かれ、それぞれ異なる加工方法や用途に適した使い分けがされています。

少量生産向け 立形マシニングセンタ

サイズがコンパクトで、使い勝手が良いため、最も多く使われているマシニングセンタです。主軸が垂直に配置されており、設計図面と同じ方向からの加工が可能です。
また、テーブルが長いため、複数の部品を並べて一度に加工することもできます。削り屑の排出が難しいため、少量生産に最適なマシンです。精密な少量生産が求められる場面に強みを発揮します。

大量生産向け 横形マシニングセンタ

横形マシニングセンタは、主軸が水平に配置され、切り屑の排出が良好です。これにより、1回の段取りで複数の加工が可能となり、大量生産に最適です。
3軸制御から4軸制御、さらにはC軸を利用した5軸制御に対応するモデルもあります。パレットチェンジャーを活用すれば、長時間の連続稼働が可能となり、自動化された複数部品の加工や大量生産に対応できます。
効率的な生産体制を確立できる装置として、多くの現場で採用されています。

大型製品向け 門形マシニングセンタ

門形マシニングセンタは、正面から見ると主軸を支える構造が門型になっているのが特徴です。大型や重量物の重切削加工が必要な製品に最適です。
回転軸は、門の天井部に下向きに配置されており、大型部品や重切削を効率よく行うことができます。
大型製品の高精度な加工を求める現場において、信頼性の高い装置です。

株式会社南信精機製作所では、立形マシニングセンタ(3台)と門形マシニングセンタ(1台)を保有しています。
小型部品から大型部品まで、幅広いサイズに対応した高精度な切削加工が可能です。
少量生産から大量生産、大型部品の加工まで、さまざまなニーズに柔軟に対応できる体制を整えています。